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クチュン…チュパ、チュパ、レロ、レロ
最後に唾液を送り込まれる。
僕は呑み込めないから顔を背けようとしたが許されず、結局ゴクッとおじさんの唾液を飲んでしまった。
そして、離された唇。
二人の間に糸が引かれた。
「独り寝は寂しいからね…でも、さすがにマズイかな?」
おじさんは僕のパジャマのボタンを留めていく。
早く部屋を出ていってくれないと、翔に変に思われる!
「さて、今日はもう寝よう」
出ていくと思っていたおじさんは、平気な顔をして隣へ寝転んだ。
「え…え?」
驚きに顔を変えた僕を見て、おじさんが笑った。
「どうしたんだい、結斗。おもしろい顔をして。まぁ、その顔も可愛くて仕方無いんだけどね。写真に撮っておきたかったな~」
嬉々として言うのだから。
「お、おじさん…!翔に見られたら変に思われるよッ」
そうだ。こんな歳した幼馴染みが自分の父親と同じベッドで寝ているなんて、子どもが見たら怪しむに決まってる。
けれど、おじさんは何処吹く風といった様子だ。
「大丈夫だよ。翔が夜中にこの部屋に入ってくる事は無いよ。あの子も疲れてるから直ぐに自分の部屋に入るさ」
「で、でも万が一…」
「万が一は無いよ。…ほら、もう目を閉じて。いい夢を…」
ちゅっ
もう一度キスを今度は額に落とされる。
おじさんは横向きで、僕を抱き抱えるようにして目を閉じた。
暫くしてから隣のドアの開閉音がした。
静かだ。
今夜は寝れないと思っていたけれど、初めての経験に疲れていたらしい。
おじさんの寝息を子守唄にして、いつの間にか僕も眠りについていた。
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