お隣の

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お隣の

僕、倉科(くらしな) 結斗( ゆいと)の家は父親が単身赴任(たんしんふにん)で、母親が企業でバリバリ働いている。 昔から忙しい両親なので、慣れっこだ。 さすがに小学生の頃は淋しかったけど、中学生、高校生の今となれば大丈夫。 中学生から始めた部活は美術部で、絵を描くのが大好きな僕にはぴったりだと思う。 部活が終われば、真っ直ぐに家へと帰る。 だけど、僕は荷物を置いて家事を少しこなしてから再び家を出る。 そして、玄関に鍵を掛けると隣の家へと向かう。 勝手知ったる隣家は、僕の幼馴染みで今頃何処かで遊んでいるだろう近江(おうみ)(かける)の家だ。 幼馴染みの僕達は小学生の頃からの仲良しだ。 だから、両親が忙しく所謂(いわゆる)鍵っ子だった僕は自然と翔の家に長居していくようになった。 翔のおばさんは出版社勤務で忙しく、僕のお母さんと似ている。 だけど、通信販売の会社の社長をしているおじさんは時間に余裕が有るみたいで、いつも夜の七時には帰宅していて僕を迎え入れてくれる。
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