友だちの遅刻

8/13
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
「スマホ、メール来てるんじゃない?」  先輩が私のスマホを指さして言う。さっき、メールが来たのは気づいていた。今もランプが点滅している。 「いえ、大丈夫です」  いくらなんでも、部長より私を優先してくれている先輩を前にして見られない。 「見たら?」  飄々(ひょうひょう)とした表情で先輩は言った。 「いえっ!」  見られるわけがない。 「遠慮しなくてもいいよ」  満面の美形スマイル。 「大丈夫です」  あわててスマホをカバンに投げ込む。すると、先輩の笑顔が固まった気がした。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!