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シーン02
今日も今日とて俺たちはいつもの喫茶店に集う。
常連になってからは来店するたび手厚い歓迎ならぬ熱いコーヒーが待っている。
どうやら、相田がここの店主と話を付けたらしく店の奥にある窓際のテーブル席は俺たち専用になったらしい。
相田「さて、さすがにトランプも飽きたよな」
春野「ふぇ?」
ここ数日のパターンに則りトランプを取り出そうとして手をとめる。
トランプは春野の私物だ。
以前、やることに悩んだ結果、春野が持ち出して以来ずっとお世話になっている。
綾崎「それは良いけど、他に良い案はあるの?」
綾崎の指摘はもっともだ。初日やその後の3日間に刻み込まれた嫌な記憶はもう二度とごめんだ。
そう、発足当時はいろいろなことに手を伸ばしたのだ。
まずは相田発案のカラオケ。
それはいうまでもなくダメだった。
友達とはいえ、元々は他人。歌う曲もノリも何もかもがまったく異なるのだ。
次に俺発案のお食事会。
案自体は悪くなかったのだが、選んだ店が最悪だった。
美味しい庶民向けのイタリアンと思って行ってみると狭い店内に暑苦しい漢の店主。
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