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「ああ、まあ少し」
呆れたみたいに大きく息を吐き出した三浦。
「少し? 嘘つけ! 俺は整形男で、拝み倒してあんたとやった割に少しも満足させらない男だったそうだな?
しかも今後も付き合ってくれとしつこく頼んだんだって? ったく誰の話だよ。
俺があまりにもしつこいから殴っただと?! ふざけた事ぬかしてんなよ! このタコ」
うわっ、なによ。こいつ、口悪いなぁ。コンビニの中にいた客が白い目でこっちを見ている。
「コンビニで大声出さないでよ。だいたいあってるじゃない」
少し声のトーンを落として、周りを気にした。
「はあ? いつ俺があんたにせまったよ」
それなのに、三浦ときたら元来目立ちたい男のようで更に声を大きくした。
「昨日」
「はあ? ふざけんなよな。あんたなんか金を積まれても断るよ」
カチンときた。言い過ぎだ。
金を積まれても断るだぁ? そんなはずはないだろう。いくら、もうすぐで30だからとはいえ、そこまで落ちぶれてはいないと思う。そうであってほしい。
それにしても随分な言い草だ。
やっぱり、世の中には言っていい事と悪い事があるのを三浦は知らないようだ。
なんて無知で礼儀知らずな男だろう。人の迷惑とか、人を傷つけるとか、きっとこれまで一度も考えたことが無いんだろう。
「これ以上あんたなんかに関わるのはやめた!やめた、やめた! 無視するよ。あんな馬鹿な噂」
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