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あれから、この『猫町3番地』の常連が増えた。
「聞いてくださいよ、安達さん。
あれ、絶対、犯罪だと思うんですよー」
「そうですかねー?
僕ならそういうやり方しませんけどね~」
と話す琳と刹那を見ながら、将生は、違うか、と思う。
犯罪予備軍が増えた……。
警察関係者が此処に居るというのに、お構いなしだな、と思う将生の前で、琳がいつものように、淹れるたび味の違う珈琲を淹れている。
猫町3番地は今日も平和だ。
と思ったとき、入り口のドアを跳ね開ける音がした。
「雨宮さんっ、宝生さんっ。
この間、学校の裏山から出てきた人の骨なんですけどーっ」
と叫びながら、佐久間が飛び込んでくる。
……今日も平和だ。
たぶん……きっと……。
完
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