玉砕です……

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「環……先輩」  すると彼は私の手を取ると、先程買ったアイスを手渡した。 「チョコ……ミント」 「俺は…… こんなんだけど 俺の事を少しでも加賀野にはわかってもらいたいから…… 良いとこも悪いとこもひっくるめて 君の隣で笑っていられたら…… 良いなと…… 思うんだ……」 「……」 「もう…… 手遅れ?」 「…… そんな事…… ないです」 「はあぁああーー 良かったーー」    そういうと先輩はその場にしゃがみ込んみ、彼自身が持っていたアイスを指で指し示した。 「ちょっとこれ食べても良い? 喉乾いた」 「ど どうぞ!」  手慣れた手つきでパッケージを外すし、勢いよく噛みつくと、あふれんばかりの笑みを浮かべた。 「うんーーやっぱり良い」 「クスッ」 「うん?」 「いえ すいません やっぱり先輩は笑い顔が良いです」  私も思わずその顔に釣られて笑みをこぼした。すると先輩は私の顔を直視すると、スクリと立ち上がる。 「俺も…… 笑顔が見れてうれしいよ」  そう呟き、片手で私の頭を引き寄せると彼の冷たい唇が私の額に触れた。  仄かにチョコミントの匂いが漂う中、先輩は囁く。 「プラトニックラブから始めよう」
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