玉砕です……

2/17
前へ
/17ページ
次へ
 梅雨後半を迎え、曇天と湿った空気とで、どことなく気分が沈みがちなこと季節。そんな教室の窓際の席で、外をじっと見ている女生徒がいた。そこに友人2人が近寄る。 「七海 大丈夫? お昼も食べてないし」 「ほら このお菓子香奈好きじゃん 食べようよ」 「美和 栞 ありがとね でも今はちょっと……」 「何言ってるのよ七海 こういう時こそちゃんと食べなきゃ駄目じゃん!! 」  そう言うと、栞は窓の方を向きっぱなしの私の顔を自分の方に向けさせた。 「でも……食欲ないの……」 「まあ そうかもしれないけどさ」  栞の後ろに立っていた美和が心配そうな表情を見せる。その直後だった。彼女等の背後からいきなり様子を伺う影。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加