ピンチの神様

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「知ってる?ピンチになると助けてくれる神様がいるんだって!」 朝の教室で一番に目を輝かせて話しかけて来たのは親友のマキだった。 「ピンチって?明日の数学のテストでも代わってくれるの?」 笑いながら冗談ぽく言うと、 「ほんとだって!昨日さ、隣のクラスの子が車にひかれそうになって、誰かに引っ張られたんだって。でも、誰もいなくて。そのあともさ、小学生の子が、犬が逃げちゃって泣きながら探してて、見つかったって。」 興奮しきりの友人。 「そりゃ、探してたら、見つかるよね?」 「冷めてるなぁ・・。違うんだって!助けて神様~って心で叫んだら、目の前に犬が!愛犬が!少女は愛犬をがばっと。」 マキちゃんは寸劇風になっている。 「偶然でしょ。」 「冷めてるなぁ~。相変わらずクールビューティーのあ。でもそこがいい!」 バチンとウインクして、さらに情報を拡散しに別グループへ向かう。 はぁ・・・・。大きな溜息ひとつ。
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