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一日、憂鬱な気分で過ごし、家路を急ぐ。
古い平屋の戸建てで、おじいさんの代から住んでいる。
玄関のかぎを開け、廊下をまっすぐ通り、一番奥の和室のふすまを開ける。
バン!!!
「おわ!びっくりした。 おかえり?」
和服の気流し、なんともだらしのない恰好で横になり、テレビを見ながらせんべいをかじる。
これが・・・・これが・・・・・・・。
(神様だなんて信じない!!!)
「なんかした?」
「なんかって?」
「犬見つけたり、女の子車から助けたり!他にもなんかした!!」
「女の子は~~助けたかな?でも目の前だったし。。いや・・思わずね。隠れちゃったけど…、犬はね・・・偶然見つけたから、距離あったし、ちょいと、。ちょいとね、目の前にね放り出しただけで。。」
「噂になってる!!うわさ!! なんで隠れるの!普通に引っ張って助けましたよーでいいじゃない!
なんで、目の前に放り出すの!自分で担いで連れて行きなさいよ!!」
「いやぁ。おもわず?」
「おもわず? じゃないわよ!! 普段は、何も私にしてくれないじゃない!なんでもできる癖に、何にもしてくれないし、助けてくれた事なんてないのに、どうしてそういう事はするの?」
「だから神様は・ ・・。」
「人間に干渉しないっていうなら、なんでここにいるのよ!」
「うん。そうだね。変だね。でも、君と、君のお母さんと少しでも一緒に居たいんだ。それに、僕がなんでも君の先にまわって、手を出して助けたらきっと君は一人で生きていけない。
神様なんてね。側にいるけど、本当は何にもできないんだ。ただ、君に何かあったら、つらくて仕方ないから、君が元気に帰ってくるのをこうして待っている事くらいしかできない。
君が大切だからこそ、僕は君には何もしないと思うんだ。神様が何でもしてくれたら、人は何もしない動物になってしまうでしょ?努力は人の財産なんだよ。」
「そうやってはぐらかして、私が死にそうになっても何もしないんでしょ!」
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