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「そんなことないよ。たとえ運命でも、自分の力をすべて使っても、のあちゃんを助けるよ。 大事な僕の娘なんだから。」
「人間に干渉したらだめなんでしょ!」
「そうだけど、のあちゃんが目の前で痛い思いしてたら我慢できないよ。僕が消えても助けるよ?」
「ふん!調子いいんだから。」
「怒った顔もお母さんに似て来たねぇ。」
「うっさいニート!!」
バンとふすまを閉める。
「ひどい。のあちゃ~ん」
ふすまの向こうで泣く真似の声がする。
神様は何もしない。大きく人間に干渉することも奇跡を起こすなんてことも、やろうものなら消えてしまう。
信仰心が薄れたら、忘れられたら終わりの存在だ。
人に姿を見られてフラフラするなんてもってのほか!
なのに、うちの神様はちょいちょい手を出してしまう。
人が好きなんだと呟く神様。
「ふう。。。仕方ない。今日は美味しい物を作ってあげようかな。」
だらしない、人間好きの我が家の神様。
たぶん、これからも私には何もしてくれないんだろう。
それでも、私の大切な、遠い空からの贈り物。
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