桜の下で、先輩は。

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* 「せんぱーい!山崎先輩っ」 「……よう」 あの恥ずかしい出会いをきっかけに、私と山崎優(やまざき ゆう)先輩は、学校内で会えば話をするようになった。 先輩は、ひとつ上の2年生。 主に、私が2年の階に行っては、一方的に話をしているような状態で。 だけど、嫌そうな表情は少しも見せない。 私が、先輩に恋をするのに、時間はかからなかった。 少しは、仲良くなってるかなって……勘違いじゃないといいな。 先輩は、よく廊下の窓際にいる。 だから、見つけやすいし、声もかけやすい。 そして、たまに、窓の外を見つめて、切なそうに目を細める。 入学式の時に満開だった桜の花びらは、今はほとんど散っていた。 この目をする時、先輩は私がそばにいることなんて、きっと忘れているから、寂しくなる。 出会った日も桜のそばにいたし、桜がすっごい好きなんだろうなって思うけど……。
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