桜の下で、先輩は。

6/9
69人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
* 「あっ、優に懐いてる子だ」 次の日。 2階の廊下で、山崎先輩の代わりに出会ったのは、先輩の友達だった。 「えーと、山崎先輩の友達の……」 「最近、よく優と話してるよね。あいつが女子と会話するなんて珍しいから、びっくりした」 「そうなんですか」 そっか、なんか嬉しいな……。 「でも、よかったよ。あいつ、一時期ひどかったから、元気になって」 「え?」 「多分、君がそばにいるおかげなんだろうな」 言っていることの意味も分からず、だけど少しだけ気持ちが上がる。 だから、聞きたくなかった。 「さくらちゃんと、声そっくりだもんな」
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!