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「同じだよ。そうやって拗ねたままでいたら、何を見たって面白くない」 「意地悪」 「意地悪で言うんじゃない。僕は君とここにいる時間を楽しみたいだけなんだ」 「そんなこと言ってもだめ」  彼女は目を細めて唇を歪める。 「着ぐるみのイヌやウサギと握手して、ぐるぐる回る馬を眺めてご機嫌でいろっていうの?」 「何が不満なのか僕には分からないな。ここにはアヒルだっているじゃないか」 「ボートのね」  彼女は溜め息をつく。 「今日は動物園に行く約束だったのに」 「ここにも雀とカラスと鳩がいた」  そんなのどこにだっているじゃない、と言いたげに目を伏せた彼女の次の問いはこうだった。 「あなた、一体私のどこを好きになったの?」 「僕もそれが知りたいんだ」  彼女はまた溜め息をつく。 「やっぱり意地悪」 「じゃあ君は一体僕の何が良くて、告白を受け入れて付き合ってくれてるの?」
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