21人が本棚に入れています
本棚に追加
駄菓子を出ると、すぐ左の方に福引きの抽選所らしきものがあるのが見えた。
あれ、あんなのさっきあったかな…?
不思議に思いながらも、きっとここで福引きが引けるんだと思い、行ってみることにする。
「すいません、福引きってここですか」
さっきもらった黄色の紙を、そこにいたお兄さんに手渡した。
「お、そうだよ!福引き1回、引いてくれ!」
明るくて元気なお兄さんは、何故か少し顔が赤くて、もしかして酔っぱらってるのかな?と思った。
何も書いてない四角い箱をお兄さんに渡されるまま、上から手を入れ紙を1枚引いてみる。
「どれ、オレに見せてくれ」
引いた紙をお兄さんに渡すと、お兄さんは嬉しそうに、テーブルに置いてあったベルを持ち、カランカランと鳴らした。
「おめでとう!特賞だ!」
「と、特賞?!」
ぼくはびっくりして目を見開いた。まさか特賞が当たるなんて。特賞というからには、きっと凄いものが貰えるに違いない。
「特賞は、神様のお手伝い権だ!」
「かみさまの、おてつだい?」
にこやかに言うお兄さんを見て、やっぱりこの人は酔っぱらっているんじゃないかと思った。
首を傾げるぼくを見て、お兄さんは大丈夫!と右手で胸を叩いて見せた。
「とりあえず、商店街の奥の神社に行ってくれ。行けば何のことかわかる!」
ぼくは曖昧に頷くと、とりあえず神社へ行ってみることにすることにした。
最初のコメントを投稿しよう!