神様のお手伝い

3/3
前へ
/17ページ
次へ
 駄菓子を出ると、すぐ左の方に福引きの抽選所らしきものがあるのが見えた。  あれ、あんなのさっきあったかな…?  不思議に思いながらも、きっとここで福引きが引けるんだと思い、行ってみることにする。 「すいません、福引きってここですか」  さっきもらった黄色の紙を、そこにいたお兄さんに手渡した。 「お、そうだよ!福引き1回、引いてくれ!」  明るくて元気なお兄さんは、何故か少し顔が赤くて、もしかして酔っぱらってるのかな?と思った。 何も書いてない四角い箱をお兄さんに渡されるまま、上から手を入れ紙を1枚引いてみる。 「どれ、オレに見せてくれ」  引いた紙をお兄さんに渡すと、お兄さんは嬉しそうに、テーブルに置いてあったベルを持ち、カランカランと鳴らした。 「おめでとう!特賞だ!」 「と、特賞?!」  ぼくはびっくりして目を見開いた。まさか特賞が当たるなんて。特賞というからには、きっと凄いものが貰えるに違いない。 「特賞は、神様のお手伝い権だ!」 「かみさまの、おてつだい?」  にこやかに言うお兄さんを見て、やっぱりこの人は酔っぱらっているんじゃないかと思った。 首を傾げるぼくを見て、お兄さんは大丈夫!と右手で胸を叩いて見せた。 「とりあえず、商店街の奥の神社に行ってくれ。行けば何のことかわかる!」  ぼくは曖昧に頷くと、とりあえず神社へ行ってみることにすることにした。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21人が本棚に入れています
本棚に追加