神様のお手伝い

商店街復活作戦

　神様のお願いを引き受けた次の日。
学校では『地域のことを調べよう』をテーマに、各自が自由に調べて発表をするという授業があった。
ぼくたちの身近な地域といえば、商店街だ。
お肉屋さんのコロッケの材料の分析をする子や、花屋の田中さんのところの亀はけっこう長寿らしい、という発表が続く。
ちなみにぼくは、駄菓子屋の料金とメニューをまとめたものと、ぼくのオススメ駄菓子屋ベスト10を発表した。
クラスの子達の反応は上々だ。

　そんな中、クラスで一番頭が良い、ミオちゃんの発表が始まった。
「私は、おばあちゃんに昔の商店街の話を聞きました。商店街では昔、夏になるとお祭りが行われていたそうです」
　夏の夜、沢山の出店が商店街の入り口から神社まで並び、たくさんの人で溢れていたのだということだった。
しかし、商店街の人口が減るにつれて、お祭りは無くなってしまったらしい。
ミオちゃんの説明はわかりやすくて、みんな感心した様子で話を聞いている。
ミオちゃんの話を聞いていたぼくは、突然思いついた。

　そうだ！お祭りが復活すれば、また人がたくさん来るようになるかもしれない！

　ミオちゃんの話によると、もう20年近くはお祭りが行われていないということだった。
お祭りがあればきっと、町の人たちが商店街、そして神社に集まる。
そうすれば、神様のお願い事を叶えられるに違いない。
もうすぐ今日の授業は終わり。ぼくは、この思いつきを皆に話したいと、うずうずしながら時が過ぎるのを待った。