第1章

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真っ暗になり、ウミの意識は遠ざかっていった・・・ 午前3:50「Honey」エレベーター内 間髪を入れず意識を取り戻すウミ、しかしそこはエレベーターの中であった。 気を失っている間にもう店が終わり、エレベーターに載せられたのだと思った。 だが、周りには誰もいない、しかも体には凄い違和感、とりわけ胃が痛かった。 エレベーターの上を見るとモニターが有り、モニターには上を見上げる涼子が映って いた。 「エーッ!何これ??――」 午前3:50 ショーパブ「OLIVE」店内 涼子は朦朧とした意識の中、「OLIVE」の店内で意識を回復した。 ステージの後ろにいたが、誰かに押され前につんのめった。 つんのめって下を見た瞬間、半ズボンで網タイツにスニーカーを履いてる足が見えた。 (何これ??しかも筋肉質な足!)しかも体には凄い違和感があった。 「B卓4番のお客様からも頂いておりますー」とのパールの声で振り返ると、パールが 自分を見て促している姿が見えた。戸惑っていると、後ろから誰かに支えられてB卓4番につれて行かれてチップの千円札3枚を受け取らされてしまった。 午前3:52「Honey」エレベーター内 「エーッ、エーッ」と繰り返しながらウミがモニターに向かって手を動かすと、モニターに映る涼子もまったく同じ動きをしていた。しかも自分意外にエレベーター内には誰も 居ない。エレベーターの扉のステンレスの部分に顔を映すと、そこには涼子が映っていた。 現実のように思える感覚だが、到底受け入れられない現実、たが外に出てここが店の近所「涼子の店の入口」だとわかると、とにかく店に走った。 だが走りだした途端に転んでしまった、ヒールの高い靴で全力疾走は無理だった。 「痛ってー!」膝を擦りむいてしまった。 10分後、「涼子になったウミ」が「OLIVE」のエレベーター下にいた。 腕時計を見ると4:15を指していた。 慌てて上に向いた矢印のボタンを何回も押し、エレベーターに乗った。 3Fに到着して扉が開き、急いで店に入る。店の中はショーの後のスタッフ紹介になっていた。ステージに近づくと後ろの列に自分の姿が見えた。 自分に気が付いたスタッフに「涼ちゃん一人?」と聞かれたので「僕は涼ちゃんじゃない!」と答えてしまうウミ。 呆然としながらも席に案内されてしまう「涼子になったウミ」。
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