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公園で会ったあの人
私はとても変わっている、と言っても自覚は無い。他の女の子のように派閥をつくることも群れることも苦手で、意味が分からないから、やらなかった。
興味のない俳優の名前も知らないし、テレビも見ない。興味のない音楽も聴かない私とは、誰もが話すことを避けた。そのうち、私は女子グループから無視されて挨拶すらされなくなった。無駄な時間が省けて良かったと思っていたけれど、相手は私に対して、かなりのダメージを与えているつもりだったようで、陰でくすくすと笑われていた。まぁ、それはそれでよかったのだと思う。
それでも私は一人というわけではなく、学校ではいつも勝手気ままに過ごせる友達とだけ仲良くしていた。けれど、学校外で会うことは一度も無かった。休みの日まで会う必要はなかったから。ただ、それだけのことだった。
そして、そんな私を見て誰もが「変わってるね」と口を揃えて言う。それは私に対する皮肉だったのかもしれない。けれど、そんなことすらどうでもよかった。
「そうね。私は変わってる。だから何?」
私はたぶん周囲を不快にさせてきたのだろう。けれど、その意味すらよくわからなかった。なぜ私と話すと相手が不快になるのかもわからなかったし、機嫌を伺わなければいけないのかもわからなかった。
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