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「僕は人の心の声が聞こえてしまう。それは、あまり良いことではないんです」
「そう……よね」
私はレンの顔を見上げた。相変わらず少し微笑んで、優しそうな顔をしている。
「ありがとう、ウタノ。僕はよく、気持ち悪いとか、気味が悪いって言われるのですよ」
「どうして?」
「さぁ、自分ではよくわからないけれど、そう思わせてしまうみたいです」
レンは、私の顔を見ながらくすくすと笑う。
「ウタノ。あそこを見てください」
レンの視線の先に目を移すと、さっきの男の子たちが二人でベンチに座っているのが見えた。
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