風のように

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風のように

 私が近付くと、二人の男の子は揃って私へと視線を移す。さっきの男の子が、嬉しそうに、にっこりと微笑む。 「あれ? さっきのおねーさん! 会いに来てくれたんだね」 「えっと……」  何を話したら良いのだろう。気になったから話がしたい? それじゃあ一目惚れでもしたように思われてしまう気がして言葉に詰まる。 「なぁに? 彼氏さんと喧嘩でもしたの?」 「彼氏……?」  何を言われているのかわからず、私は男の子を見つめる。 「彼氏なんていないし、私はひとりで……」  突然、アタマがふわりと重たく感じて、そのままほぼ無意識に後ろを振り返った。何かを探すように視線を泳がせる。
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