しかと道照る、一等地

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 ────  ────…… (うふふ、見つかっちゃった)  二人を見届けた後、私は堤防から踏み出し、月へと駆け上がりました。  私を忘れないでいてくれてありがとう。  この場所を愛してくれてありがとう。  ここは、私にとっても子供たちのいる掛けがえのない場所だから。  家族同士、今は心が離れているかもしれない。  だけど大丈夫、心配しないで。  きっと気付く時が来る。  この場所で、家族の大切さに気付く時が来るから。  だから貴方たちは大丈夫。  大丈夫。  心配しないで。  そんな想いを光希坊っちゃまと喜子さんへの別れに代えて、私は月の白に吸い込まれるように空を駆けていきました。  これからもずっと見守り、しっかりと道を照らしてゆくために。 【了】
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