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私と彼はずっと「友達」
光くんはぺたんと机に突っ伏して眠っていた。友達からはひそひそと言われている。
「またフったんだってね」
「源、お前理想高過ぎ。お前に告白しに来た女子って、チアリーディング部の主将だったんだろ? 無茶苦茶可愛い子じゃん」
ポニーテールにすらっとした体型。笑顔も可愛くって、体育会系のさっぱりした性格で女子からも男子からも人気な子。でもフラれちゃったんだ。
光くんはごろんと机で寝返りを打って、唇を尖がらせる。
髪の毛は黒で、艶がない。リンスしないしドライヤーでちゃんと髪を乾かす習慣がないからだ。全身石鹸で洗うのはやめろと何度言っても聞かないんだからしょうがない。身長は170とちょっとで、男子としては低くもないけれど高くもない。
顔は格好いいのかどうかっていうと、そこまで格好いいタイプじゃないんじゃないかと思う。でも別にブサイクでもない。
でもまあ……何故だろう。
光くんは無茶苦茶モテる。モテまくる。うっかり源光なんて名前なために「光源氏か」とは何度だって言われ続けた。別におばさんも悪意があってそんな名前を付けた訳じゃないだろうに。
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