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それから2、3日してからの深夜のことだったと母は言う。
「ミサコ」
眠っていた母は、急にどこからか名前を呼ばれて、思わず返事をした。
「はいっ!」
謎の声からの返答はない。
ただ、母はその声に、応えなければと思ったと言う。
不思議だったが、夢かしら、と思った母は再び眠りにつこうとした。
「ミサコ」
「はい!!」
どうやら夢ではない。
人間の声ではないと直ぐに理解した。
ただ、恐ろしいとは全く思わなかったそうだ。
例えていうなら、鈴の音が響く。そんな美しい声だったらしい。
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