4人が本棚に入れています
本棚に追加
「そう……ですけど……?」
一応受け答えはしておいたが、目の前にいるおじさんは、いくら考えても会ったことのないおじさんだった。
「へぇ……これ夢なんかな?」
おじさんは納得しながらも、不思議そうに辺りを見回した。
「えっと……現実ですよ?」
私はそんなおじさんをもっと不思議そうに眺めながら答えた。すると、おじさんはこちらに振り返って呟いた。
「そうか……現実だったら嬉しいな」
そう言って、おじさんは少し笑った。
でもそれは、"嬉しくて"じゃなくて、"淋しくて"出てきた笑顔に思えた。
最初のコメントを投稿しよう!