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「はぁ、やっちまったかな」
はぁと大きくため息をついた僕は、誰もいないリビングのソファーの横たわる。
ふと、芹沢遥の寂しそうな瞳を思いだし、もう一度ため息をついた。
こうゆう事をするから、近寄りがたいだの、近寄るなオーラが出てるだの、色々言われるのだろうか。
僕は自ら人を寄せ付けない?
そう考えて、フッと苦笑いが漏れた。
春になると、僕は臆病になるのだ。そして、大ウソツキになる。
本当の僕は、「桜」が苦手なだけ。桜アレルギーではない。
桜アレルギーなんて、体よく考えた嘘なのだ。
それを今まで誰にも打ち明けたことはない。
桜が原因で、しんどくなるのは体のほうではなく、精神のほうだということは。
僕は桜が苦手だ。
僕が10歳になった頃から――。
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