第1章ー2

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僕の声に母は答えた。そこは、叔母の住む街だった。 叔母の住む街は、京都だ。叔母は、京都、岡崎で小さな和菓子屋を経営している。 桜餅や饅頭などの和菓子が美味しいと有名で、小さな頃は僕もよく遊びに行っていたっけ……。 叔母の作ってくれる和菓子と、一緒に出される抹茶の味を思い出していた。 叔母の和菓子、美味しかったな……。 「千恵子おばさん、元気なの?」 台所に立つ母親に目を合わせて僕は聞いた。 「最近、連絡取ってないのよ。私もバタバタしていて。頼りがないのは良い便りなんて言うし安心しているんだけど、近々連絡して見ようかしら」 「そうだね」 そう言った時、京都を映すテレビの中継も終わった。 母は夕食の準備に取り掛かる。 僕はニュースの後に流れだしたバラエティ番組に夢中になった。
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