第3章ー3

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「うわ、何あれ、すごい……」 「嘘だろ……」 動物園に入ってまず、僕と彼女を驚かせたのは、トラだった。 トラが僕たちの頭上を歩いている。 恐る恐る近づいて、やっとトリックがわかった。 ガラスで仕切られたトラの部屋同士が、空中道路で繋がっているのだ。 右側の部屋にいたトラが空中道路を通り、左側の部屋へ移動しようとしている。 まさかトラを下から眺める日が来るとは、思わなかったな。すごい迫力だ。 「私、今、息するのを忘れていたかも」
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