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そう言う彼女に、「僕も」と答えた。
二人とも頭上を歩くトラの存在に驚き過ぎていたことに気づいて、その場を去ってから顔を見合わせて笑った。
トラの部屋の側のガラス戸の奥では、ライオンが寝ていた。
「寝てるね」
「寝てると、猫そっくりですよね。トラ柄の猫、みたいです」
トラ柄の猫って、それ、トラなんじゃ……と思ったけど、言うのはやめた。
「……可愛い」
「じゃあさ、トラと一緒に写真撮る?」
「え、ええ!?」
「ほら早く並んで!」
戸惑う彼女の背を押し、トラが起きないようにそっとガラス窓に近づき、写真を撮ることにした。
ガラス一枚挟んですぐそばにトラがいる。
それだけのことなのに、彼女は必要以上に緊張しているようで、その緊張が僕にも伝わってきた。
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