第5章ー2

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おばさんはすぐに、うちの母に連絡しなきゃ! と声を出す。僕は母さんには言わないでほしいと言った。 「母さんには、帰ってからちゃんと自分で話すから」と。 ただ、今だけのこの特別な春をくれた千恵子おばさんには伝えたくなった。 結婚式で承認してくれる牧師のように、僕たちが付き合うという形を認めてくれる人がほしくなったのかもしれない。 「お似合いやで」 目じりを下げて、千恵子おばさんは言った。今まで見た中で、一番優しい笑顔だった。 「今日はどこか行くんか?」 「ううん。どこもまだ考えてない」 このあたりの観光地は、結構回った気がする。新しいお店でも探そうか、彼女とならどこへ行っても何をしていても楽しいから。 「今から夜までやったら、あっという間やろ?」 バイトが終わったのは、18時だった。雪さんは女の子だから、あまり遅くまでは連れ回せない。
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