第5章ー2

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良樹も、そして芹沢もみな、同じ学部の仲間だ。 「初等教育って、小学校の先生になるの?」 「そのつもり」 月夜に咲く夜桜の下で、そんな短いやり取りをしながら歩いた。 「似合うね、すごく」 自分の夢や希望を語るのは、少し恥ずかしかった。けれど、彼女は僕の気恥ずかしさもすべて受け止めてくれた。 僕を見つめるその穏やかな表情を見ると、なぜか不思議な気持ちになる。 誰にも話さなかったことまで、話してしまいたくなる。 「正直……できるかなと、時々悩むよ」 「え?」 「僕に……先生なんて……」 将来の夢を。そう考えた時、出きてきたのは、小学生のころの僕だった。 抱える悩みを誰にも言えず、一人きり膝を抱えてうずくまっている。解決方法も進み方もわからない。 けれど、少し大人になった僕は、あのころの“僕”を助けたくなった。
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