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「この中に、昨日一緒に見た写真が挟まっていて」
「……うん」
「雪さんが帰ってから、もう一度見ていたんだ。すると、その中に見たことのない写真が三枚挟まっていた」
「……見た?」
と彼女は言った。
「うん。見た……。それで、どうして雪さんがこんな写真を持っているのか訊きたくて、あの後、すぐに追いかけた。すると雪さんが……桜の下で消えたんだ」
消えゆく彼女の姿を忘れることなんてできない。その姿は、僕の頭の中で何度も自動再生されていた。
「……どうして?」
と僕は言った。
「僕が消したんじゃないの?」
僕は、桜の下で、何かを消すことができる。けれど、戻すことはできない。
それなのに、雪さんはどこからか現れた。
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