第6章ー2

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「うん。隆哉君のまっすぐな性格も。みんなに優しいところも。誰も……置いていかないところも……」 「……」 「正義感が強くて、可愛くて男らしい。二人の王子さまに囲まれて、私、今、最高に幸せなの」 胸の奥あたりがきゅうと痛いほど縮んだ。 僕は遠くない未来で、彼女と、そして僕の分身のような子どもに出会う。 今よりも逞しい男になっているのだろう。早く大人になりたいと思った。 目の前の彼女を、僕の手で守れる大人に。 「僕たちはいつ出会うの?」 「これ以上は、内緒」 「どうして?」 と僕は訊いた。聞ける情報はすべて聞いておきたい。間違えた道を歩いて、君たちに辿り着けないのは嫌だから。 「答え合わせは、つまらないじゃない」
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