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アイツとの出会いは最悪だった。クラスでいちばんのお調子者。休み時間の度に外に飛び出し、男子たちはサッカーに興じていたから肌だって真っ黒に日焼けしていた。
静かに休み時間を過ごしたかった私にとって、アイツはうるさくて、そして、目立って、明るくて、明るすぎて、そして、眩しい存在だった。
「はぁ?!何でまたアンタの隣の席なの?!」
「それは俺の方の台詞だっ!!」
何度目になるか分からない席替えのくじ引き。またしても隣の席になったのは、クラスでいちばんのお調子者のアイツだった。
「あんた、不正してないでしょうね?!」
先にくじを引いた私は詰め寄る。しかしアイツは飄々とした態度であさっての方を向いたままだ。
「もう!話ぐらい聞きなさいよ!!」
「うるせぇ!!お前の隣だとぎゃーぎゃーうるせえったらねーな」
「うるさいのはどっちよ?!」
「はいはーい、2人ともうるさいよ~」
私たちの舌戦を、先生が微苦笑しながら止めに入った。そして仲良くその場で起立をさせられる。私は納得がいかなくてアイツを横目で睨み付けた。
しかしアイツは涼しい顔。
その横顔がまた余計に私の苛立ちを助長するのだった。
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