1、アイツが隣にやってきた。

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 アイツとの出会いは最悪だった。クラスでいちばんのお調子者。休み時間の度に外に飛び出し、男子たちはサッカーに興じていたから肌だって真っ黒に日焼けしていた。  静かに休み時間を過ごしたかった私にとって、アイツはうるさくて、そして、目立って、明るくて、明るすぎて、そして、眩しい存在だった。 「はぁ?!何でまたアンタの隣の席なの?!」 「それは俺の方の台詞だっ!!」  何度目になるか分からない席替えのくじ引き。またしても隣の席になったのは、クラスでいちばんのお調子者のアイツだった。 「あんた、不正してないでしょうね?!」  先にくじを引いた私は詰め寄る。しかしアイツは飄々とした態度であさっての方を向いたままだ。 「もう!話ぐらい聞きなさいよ!!」 「うるせぇ!!お前の隣だとぎゃーぎゃーうるせえったらねーな」 「うるさいのはどっちよ?!」 「はいはーい、2人ともうるさいよ~」  私たちの舌戦を、先生が微苦笑しながら止めに入った。そして仲良くその場で起立をさせられる。私は納得がいかなくてアイツを横目で睨み付けた。  しかしアイツは涼しい顔。  その横顔がまた余計に私の苛立ちを助長するのだった。
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