第八章 The Knight meet joker

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 ルリは和樹の隣に座った。和樹の顔を覗き込む明るい茶色の瞳は、ランプの光を吸い込んで暖かく輝いている。  やわらかい両手が和樹の肩に乗せられた。ふわり、と香水のいい匂いがした。 「大丈夫。サメを殺したくらいでこんなに動揺してるんだもの。あなたが力を悪用できるはずがないわよ」 「姫を助けに行ったナイト、旅先で浮気!」  くだらないことを言って来たコンガを思い切りにらみ付ける。 「ありがとう。変な奴だと思われても仕方ないって覚悟したんだが」 「信じるわよ。あちこち取材に行ってると、たくさん変な物を見るもの」  そっとルリが自分の鼻をなでた。 「鎮乃目の娘も、おかしな力を持ってたわ」 「ミコトに、ミコトに会ったのか!」 「ちょっと。いきなりこっちに来ないでよ。船が傾くじゃないの! ええ、ミコトちゃんは私の傷をきれいに治してくれたわ」  和樹の必死さにルリがびっくりしているのは分かったが、大人しくするなんてとてもできなかった。 「ミコト、ミコトはどんな様子だった?」  治癒の能力が神から得た物なら、ミコトも何か代償を払っているはずだ。和樹がウソをつけないように。 「車椅子で、何か眠っているみたいだったわ。顔はベールで隠れてて、見えなかったけどね」     
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