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八千代にいる時も、電話占いのバイトとその副業で拝み屋をして生計を立てていた。
郡山に来てからは収入源は拝み屋だけだ。
断腸の思いで法眼に頭を下げて、依頼を回してもらっているのだ。
「久々に魔物に会った」
悠輝は県外からの依頼で、昨日から泊まりがけで出かけていた。
内容は夜になると小学生の息子が異常な行動を取るという物だった。
日中は至って普通なのに、夜中に冷蔵庫の中の物を食い散らかしたり、家を抜け出して傷だらけになって帰って来たりする。
両親が異常行動に気付いて止めようとすると、信じられない力で暴れて手が着けられない。
ところが、朝になるといつも通りに戻り、夜の記憶が全くない。
精神科にも見せたが少しも改善されないため、戌亥寺に白羽の矢が立った。
「その子に魔物が取り憑いていた?」
「ああ」
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