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〔どうして私なのかな…〕
抗がん剤治療の2週目を終えた夜に、彼女は初めて僕に弱音を吐いた
〔明日は大学の入学式なんだよ…リンも行きたいよ〕
明日4月7日は彼女の通うはずだった、大学の入学式だった。保育士になる事を夢見て、第一歩が明日になるはずだった
なんと声をかけたらいいのか、チャットを書いては消してを繰り返しても、またも言葉が見つからなかった
握りしめたスマホがブルブルと震えて、リンからの着信を表示する
「もしもし?」
彼女は何も喋らなかったが、鼻をすする音で泣いてるのが分かった
「よしよし、落ち着くまでアオここにいるから」
彼女は今まで我慢していた感情が一気に込み上げた様に声を出して泣いた
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