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「ウォッホン!!」
何かを話す前に芝居がかった咳払いをする神様なんて、今どき"世界少年少女文学全集"の中にもいない。第一自分を神様だなんていう大人を、簡単に信用すると思ったら大マチガイだ。
そんな子供騙しには子供のアタシでも騙されないわ。いいえ、そもそもアタシは中学3年生の立派なレディよ。来年は高校生だから、ある意味大人よ。ふん。
「その表情から察するに信じてまてんね。」
「あなたが神様なら、アタシは超女神様だから!!」
「そうでしか。なら、こりではどうでしか?ホイッ!!」
「ヒャッ!!」
幼なじみで同級生の天敵のマモルが現れた。
「こりで信じてくれましたか?ウォッホン!!」
声は変っ。
「本当にあなたが神様なの?」
「でし。あんた神様のバーカ!!って言ったでしょ。バカじゃないもんねぇ~だ。バカって言う方がバカだもんねぇ~だ。」
「本当にあなたは神様なの?」
「2回言うな…」
神社の境内に小さな子供たちが入って来た。
「とにかく、元の姿に戻りなさいよ。勘違いされるでしょ。」
「なんでしか?マモルとデートでしよ。」
「はぁ?なんでアタシがあんなヤツと…バッカじゃないの。とにかく早くぅ…」
「あい。わかりまひた。ホイッ!!」
今度は担任の姿に変身してる。
「バカじゃないの!!さっきの姿でいいじゃない。」
「あ、また神様にバカって言った。バカって言う方がバカだもんねぇ~だ。」
「そんな変身したら神様でもバカでしょ。早く元に戻りなさいよ。」
「ふん。あいあい。わかりまひた。ホイッ!!」
ようやく元の姿に戻った、自称神様が穏やかな声で聞く。
「で、何が神様のバカなんでしか?」
表情はひきつっている。
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