神様とアタシ

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神様とアタシ

「やーい!ブース!ブース!」 「ワァーン!!ワァーン!!」 クラスのいじめっ子3人、タケシ、マモル、オサムに"ブス"と呼ばれながら、泣いていたアタシは富士子。おかっぱ頭で刈り上げで、あかぶちメガネはレンズが厚め…赤いランドセルに黄色い帽子、運動音痴で声は小さく、成績優秀、しかも愛読書は"世界少年少女文学全集"全110巻のただいま第8巻読書中的な…。 たいていアタシが泣くと、3人は満足してどこかに去って行く。 男子は単純。 しかるにアタシは帰り道にある。駄菓子屋に立ち寄って、大きめのふ菓子を2本買い、これまた帰り道にある御霊神社の境内に隠れるように紛れ込み、石段に腰掛け、大好きなふ菓子を食べなから、読書に没頭しては童話や伝記を読むという至福の時をしばらくすごしては、ふ菓子を一本、さい銭箱の上に置いて家に帰るというのが日課の、ちょっと変わった子供であった。
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