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普段は同じ制服の女子と男子が、ワイワイ行ったり来たりしているこの道。まるで貸し切りのように静かで広い。夏に反射してキラキラしている。
「なんだか、おもしろい」
「何が?」
「だって、ジュースを歩きながら飲んだことないから。友達ともないしさ」
「女子はなかなかね」
「すごくおいしいよ!」
「そう、よかった」
「エリちゃんにちゃんと言ってみたら、好きとか、付き合ってとか」
「えっ?」
「今夜、8時、学校の屋上に来てよ。エリちゃんに行くように連絡してあげる」
「いいって! 何、言ってるの!」
のどが渇いたのか、渇いてないのか、どうなのか、とにかく、一気飲みしようとぐっと飲んだ‥‥炭酸がのどに引っかかって、むせた。
「大丈夫?」
「だ、大丈夫だけど。そんなのいいよ。どうせ来ないし、来たって上手く言えないし、ダメっぽいし‥‥」
「じゃあ、このままでいいの? ずっとこのままで後悔しない?」
「そりゃ、このままでいいとは‥‥思わないけど、でもなぁ」
「じゃあ、いいじゃん。告白することに大きな意味があるんだから。告白は男の価値をMAXにするんだよっ! 自信になるし。仮にダメでも、自信を持って次の恋に進んで行ける。勇気を出してっ!」
「‥‥はあ。でも、そもそも屋上って夜入れるの?」
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