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「……僕、一応此処の神様なんだ。信じてもらえないかもしれないけど」
そして、彼は私にそう話しかけてきた。
幽霊よりも怖い存在ではなくなったけど、より胡散臭い存在になった彼に、私はそうなんですね、とだけ言葉を返した。
「えっと、……信じてくれる、ってことで良いのかな」
首を傾げる自称神様に、私は少し考えて返事をした。
「信じたわけじゃありませんけど、害がないなら何でもいいです。ここには私しかいないから、あなたが他の人に見えないのかどうかもわからないし」
「ああ、興味がないってことだね」
彼は納得したように頷いて、また私に話しかけてきた。
「今日はどうしてここに来たの?」
「……偶々です」
私は正直に答えた。
「今日、学校に行きたくないなあと思って、偶々途中で降りたバス停がこの近くだったから。目立たない場所を探して、偶然ここを見付けた」
「そうなんだ。……何で、学校に行きたくないと思ったの?」
彼のその質問に、私は今度は少し考えてから答えた。
「……わからない。友達は居ないけど、いじめられてるわけじゃないし、勉強もそれなりにできるし。特別困っていることはないけど、ただ……」
「……ただ?」
彼が聞きながら首を傾げる。
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