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見知らぬ他人に私は何を話しているんだろう、と思わないこともなかったが、言葉の続きは口からちゃんと出てきた。
「……ただ、学校にいると時々、すごく息が苦しくなる」
私のその言葉を聞いて、彼はふっと優しく笑った。
「ちょっと疲れちゃったんだね」
その何気ない言葉が、私の心に響いた。
そうか、私、疲れていたのか、と自分でも納得できて、一つ大きなため息を吐いた。
「僕はね、神様なんだけど。……どこにも居場所がない、って思っている人にしか、姿が見えないんだ。だから、ここに君が来た時も、君に僕のことが見えるってわかった時も、すごくびっくりしちゃったけど。そっか、休憩したかったんだね。僕が見えてるってことは、君は今すごく孤独だと思っているのかもしれないけど、大丈夫だよ。今日は此処で、僕とお喋りでもしながら過ごそう」
彼は優しい声でそう言った。
私は既に何故だか、彼は神様なのだろうと確信していた。
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