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第1章~まぼろし~
おおい
おおい
おおい
山々を木霊する
森の木々を揺さぶる
わしの声
いつもの この季節
いつも眼に映る 姿……
わしの姿は見えているか
わしは隠れていないか
ただ光なき黒き世界
蒼き光は輝きを増す
そちらには わしの声
聞こえているかあ
必死に叫んでは
首を振る
寂しい響きだけが
ゆっくりゆっくりと
広がっていく
笑っておくれ
泣いておくれ
わしの我が儘を
どうか……どうか……
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