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私がどんなイタズラをするのかを尋ねると、姉は嬉しそうに言いました。 『昔、[彼をよく困らせていた]でしょう?』 そう・・・私達は子供の頃、[容姿が同じ]だという事で[よく入れ代わっていた]のです。 [同じ服と同じ髪型でいれば、周囲の人間は私達を判別出来ずに]困惑します。 その様子を見て、私達は楽しんでいました。 しかし、[昔と今の私達は違います]。 特に私の場合は視力を失っているので、彼を上手く騙せるのかも分かりません。 彼は仕事終わりの夕方に家へ来ると言っていたので、私達はそれまで綿密に打ち合わせをしました。 姉(妹)が家で彼を出迎え、妹(姉)が湖の近くを散歩しているから迎えに行ってほしいと彼に頼む。 [姉は私に成りきる]のですから・・・勿論、杖を持って行くのを忘れてはいけません。 彼を騙すにはそれだけで充分だと思ったんです。 それに、姉は・・・[きっと、彼への気持ちに決着をつけたかった]のだと思います。 だから・・・彼にわざわざ自分を迎えに来るようにしたのでしょうね。 『久々にこのイタズラをするわね。彼は昔みたいに引っ掛かってくれるかしら?』 そう言って、姉は家を出て行きました。 そして・・・[そのまま帰って来なかった]。 当初の予定通り、私は彼に妹(姉)を迎えに行ってほしいと頼みました。 なかなか戻って来ない2人を待っている間、[私はどうやら眠ってしまった]ようです。 家に戻って来た彼に起こされた私は[湖の近くを探してみたけれど周囲には誰もいなかった]と、彼から言われました。 でも、そんなハズはないんです。 姉は[家の近くの湖の前で夕陽を眺めながら彼を待っている]と・・・確かにそう言っていたのに!! 私は彼にそう伝えましたが、彼はやはり誰もいなかったと言うばかり。 とりあえず、1日様子を見ようと言う彼に私は頷く事しか出来ませんでした。 しかし、それでも姉は帰って来ない。 落ち込んでいる私に、彼は[いつもよりも豪華な]食事を振る舞ってくれました。 『元気がない時は[美味しい物でも食べて]元気にならなくっちゃ!!』 [珍しい食材が手に入ったから腕によりをかけて料理を作った]と言う彼は、私を元気付けようと精一杯励ましてくれました。 そんな彼に私は[とうとう真実を伝えた]のです。 あの時、湖で待っていたのは妹ではなく姉だった、と。 すると、彼はこう言いました。 『[分かっていた]よ。』 私は彼の言葉に[思わず、涙が止まらなかった]。 彼は私があまりにも落ち込んでいるので、追及せずにいたみたいなのです。 その後に私は彼から改めてプロポーズをされました。 そして、私は彼と一緒に暮らし始めたのです。 ですが、[いつまで経っても姉は戻らないまま]半年が過ぎた頃・・・私達は結婚しました。
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