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「1ーA、棄権かもって聞いたんだけど。」 「はい。元々出る予定だった子が捻挫しちゃって。」 「捻挫?平気なの?」 「みたいです。応援席に座ってます。」 ワアッとグラウンドから歓声が聞こえてきて得点表を振り仰ぐと、青チームが赤チームの得点をさらに引き離したところだった。 「負けてるな。」 「そうです負けてます。だから棄権するわけにいかないですよ。」 「そっか、それじゃ香坂は代打で犠牲になったわけか。」 「『犠牲』?」 「二人三脚、人気ないじゃん?」 白石先輩は足を結ぶための紐をヒラヒラと指で遊びながら苦笑する。
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