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体育祭の二人三脚、しかもチームごとに学年男女混合。
出場種目決めのホームルームで目にした時、みんな一瞬盛り上がりかけたけど、落ち着いて考えればみんなの妄想通りのことなんて起きるはずもなく、
むしろ体育委員の子がうっかり滑らせた「セクハラ温床地帯」の言葉に結局ジャンケンで決まった競技だ。
だけど。
「犠牲じゃなくて、立候補、です。」
「ん?」
「最初に立候補すればよかったなぁって後悔してたんです。」
2ーAと、ーー白石先輩のクラスだってわかって迷っているうちにジャンケンになったけど、最後まで揉めたし、ホームルームは長引いたし、決まった子も運動が苦手だからかプレッシャーかかってて、
しかもそれを体育委員の子が自分がうまく仕切れなかったせいだって落ち込んでて、
せっかくの体育祭なのに、どこか空気がぎこちないところがあったから。
こんな時、白石先輩だったら手を挙げてただろうな。
後でそう思ったらひどく自分が情けなくなった。
1つしか年は変わらないのに、その距離は遠くて。
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