少女よ理想は大きく抱け

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 せっかくなので、親友が思わず嘆息しつつ苦言する私の理想をお話しします。  まずは顔。目は細く切れ長で、一重瞼から見える睫毛は長くあること。眉毛はきちんと手入れされており、きりりと目のアクセントになっていること。  鼻はすらっと筋が通っており、小鼻は丸くなく少し尖り気味であること。唇の厚みは薄く、口角を上げると白い歯が覗くこと。  顔の輪郭は角張っておらず、尖りすぎない顎までのラインが自然な丸みを帯びていること。  髪型や色は細かく指定しませんが、できれば染めずに地毛であること。あと、極端な長髪は必要性を感じないので却下。  次に体つき。余分な肉が無く、筋肉質な胴体から伸びる手足はすらりと長いこと。腹筋は割れており、腕も力こぶをつくれること。  足のサイズは27センチくらいで、身長は180~185㎝の八頭身が望ましい。  性格は穏和で友好的、趣味は問わないけれど根暗はお断り、突飛した才能は無くても構わないけれど、運動も勉強もそこそこできること。  そして… 「いやぁ~、いつ聞いてもそれ、俺の事だよねぇ。」  これまで私と親友だけしか居なかった部室に、話の筋を折る声。  声だけで楽しそうだと分かるそれに視線を向けると、予想通り、窓の向こうに大型犬のような笑みを浮かべる男の顔がありました。
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