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言葉
「しくったぁ……」
僕はファミレスのテーブルに突っ伏していた。
が、のろのろと顔を上げる。
目の前には三皿目のハンバーグにパクつく晴真が、なんか腹立たしい。
「なぁ、食ってばっかいないで、なんか言ってくれよ?」
「なんか」
「言うと思った」
僕はまた「あぁ~」と、机とご対面。
晴真が皿を置いた音がした。
「またなぁに? エッチまでいけない悩み?」
「……熱々のハンバーグに埋もれさせてやんぞ?」
「本望」
こいつに口で勝とうなんて間違いだった。
「でも、まっ。強ち間違いではないだろ?」
「ま、……まぁ。気持ちは、ある、けど……でも、まだキスだって……」
「えっ? してねぇの?」
「誰かさんに邪魔されたから、できなかったんだよ!」
思わず声が大きくなり、周りの人の注目が集まってしまった。
僕は真っ赤な顔で、またテーブルに伏せた。
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