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「すまんすまん。からかい過ぎた」
僕を気の毒に思ったのか、晴真が苦笑する。
「喧嘩でもした?」
「してないよ。ただ……聞いちゃいけないことを、聞いちゃったのかな、って」
もごもごと答える僕に、晴真が溜息を吐いた。
「おまえなら、どうなの?」
「えっ?」
「聞かれたくないことを一回聞かれて、『このひととはもう合わない』ってなるか?」
「ならない、けど」
僕が呆けたように言えば、晴真は「だろ?」とメニューを開けた。
「分かんなかったら、それこそ聞いちゃえば? 悶々としてたら、誰かに取られるぞ?」
晴真はそう言って、ハンバーグを追加オーダーしたのだった。
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