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私には友達がいなかった。それどころか、むしろ一部の人達に嫌われてさえいた。 毎朝重い気持ちのままブラウスとスカートに着替え、俯きながら学校へ向かう。教室に一歩入れば、クスクスという笑い声が私を待ち構えている。 手が震えないように、目を合わせないように。私はそれだけを考えながら一日を過ごす。彼ら・彼女らは机に落書きをするとか、そういった証拠になるようなことは一切しなかった。聞こえるように悪口を言ったり、他のクラスメイトに無視するよう仕向けるだけだ。 なんとか一日をやり過ごすと、私は逃げるように教室を後にする。だから夕日が差し込む教室にひとりでいるなんて、あり得ないのだ。 なのに。
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