逆流

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俺はナイーをあしらった。 駐車場の野良猫を蹴散らす様に。 ここに居ては戦闘に巻き込まれる。 彼は逃げる途中、こちらを振り返り何度も頭を下げた。 その瞳には俺には決して流せない滴が光っていた。 「おやおや、やってくれたネ ベッカー警部。 いや、元警部かな?」 酸性雨が小降りになる。 足音に気づかなかったのは迂闊だったが、 呼び掛けられて奴の存在に気づく。 「ふ、“元”って事は、 俺は降格か。 役目を果たさぬ捜査官は要らねぇってか。」 「いや、逆ネ。 任務中の殉職は二階級特進ネ。 君は今日ここで命を落とすヨロシ。」 対男の娘専門特別派遣再殺部隊隊長、 忌目闇リー《イメヤミリー》 素手で熊をも絶命せしむ 忌目闇流暗殺拳法の正統なる継承者。
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